上映作品


トーキョーノーザンライツ北欧映画傑作選
革命の歌
■ 原題:Kenen joukoissa seisot / 英題:Revolution
■ 監督:ヨウコ・アールトネン
■ 2006年 フィンランド ■ 80min ■ 言語:Finnish
 
 
ストーリー
革命歌を歌う熟年の人々。学校で、図書館で、スーパーで、夜の街で堂々と歌う彼らはいったい何者なのか? 1960年代後半、フィンランドでは理想主義に燃え、社会主義運動に触発された歌と数々の音楽グループが誕生した。あれから40数年が経ち、若く美しい活動家だった彼らも今は中高年に。彼らは今、何を想い、どんな毎日を送っているのか―。
作品紹介
世界中で多くの若者たちが社会闘争に身を投じていた60年代。フィンランドでも“革命”を目指し、社会主義運動に傾倒する若者が多く現れた。
一度耳にしたら忘れられないインパクトを残す、アウリッキ・オクサネンの「あなたはどちら側」という歌で始まるこの映画は、時が流れて今やすっかり中高年となったかつての革命の志士たちの姿を追いかけた作品。音楽グループを結成し、資本主義をあからさまに敵視する歌を歌っていた彼らが、当時の出来事や闘争に懸けた熱い想いを振り返りながら、その後、それぞれが築いた会社や家庭の中でもう一度革命ソングを歌ってみせるという構成が楽しく、皮肉が利いていて面白い。
ポイントとして、1918年の“フィンランド内戦”や、フィンランドが旧ソ連と国境を接する西側の国の中で唯一共産化を免れた国だという事実を知っておくとより面白さが増すだろう。
(フィンランド内戦については今年公開される『4月の涙』をぜひ)
言葉だけではなく、音楽を通じて一つの時代を問うドキュメンタリーの変わり種だ。(栗本)