上映作品

ニコラス・ウィンディング・レフン監督特集

ブリーダー

 
(ジャパンプレミア)
 

■原題:Bleeder/英題:Bleeder
■監督:ニコラス・ウィンディング・レフン (Nicolas Winding Refn)
■出演:Kim Bodnia/Mads Mikkelsen/Zlatko Buric
■1999年 デンマーク■98min■字幕:日本語・英語【With English subtitles】
■言語:デンマーク語(Danish)

    2月9日(土)19:00〜 / 11日(月)16:30〜 / 15日(金)16:30〜


ストーリー

コペンハーゲンの町はずれ、映画マニアのビデオショップの店員レ二ーと、妻の妊娠にストレスを募らせているレオ、そしてレオの義兄ルイスとビデオショップの店長の4人は、夜な夜な集まってはB級映画を鑑賞し合う仲間である。
ある日、デリカショップで働くレアに惹かれて声をかけたレニーは、思いがけなく実現した映画デートの直前に怯んでしまう。一方、妊娠した妻への暴力衝動が抑えられなくなっている義弟レオに不審を募らせたルイスは、さらなる暴力をもってレオを追いつめていた。
男たちの感情のさざ波が、やがて大きく波打ちはじめる…。


作品紹介

冒頭、カメラがビデオショップの棚を高速でなめるように移動し、レフン組の常連マッツ・ミケルセン演じるB級映画マニア、レ二ーの客あしらいを捉える。
その時、次々と繰り出される映画監督たちの名前を聞いているだけで映画好きならば思わずニヤリとするに違いない。この瞬間からこの作品に映し出される全てが、映画ファンにとって親しみに満ちたものとなってくる。これはレフンから同好の士に向けての、この上なくチャーミングなウィンクであり、挑戦状である。特にB級アクション、ホラー映画マニアにとって、この映画の放つ魅力はたまらないものがあるはずだ。
ヌーヴェル・ヴァーグに背を向けて『悪魔のいけにえ』に熱狂した少年レフンは、映画学校を退学した後、クールなバイオレンス描写に才能を発揮し、人気監督になっていくが、その作品に漂うロマンスへの憧憬、純情可憐さの描き方こそが彼の真骨頂といえる。それはまるで、この作品におけるレニーの恋のように。 (雨宮)