ストーリー

フィヨルドと火山に囲まれた、人口わずか957人の町に暮らす高校生のノイ。毎日が退屈でトラブルを起こしてばかりの彼は、家族にも馴染めず、学校からも疎まれ気味。ある日、とうとう精神病院に連れて行かれてしまうが、IQテストの結果、彼が天才児であることが判明する！
しかし、ますます孤独感を募らせるノイ。そんな彼はガソリンスタンドに新しく入った美少女イーリスに一目惚れしてしまう。都会帰りで同じく孤立していたイーリスに、ノイは町から一緒に逃げようと約束を交わすが…。
思春期の苛立ちと疾走。ノイの運命はやがて町全体を巻き込むある”事件”によって大きく変わることとなる！

作品紹介

ロッテルダム映画祭やヨーテボリ映画祭を始めとした国際映画祭で数々の賞を受賞し、2003年のアイスランド・アカデミー賞（エッダ賞）の主要部門を総ナメにしたカウリ監督の長編デビュー作。
冬のアイスランドの美しい自然を捉えた映像をバックに、主人公ノイの暗く多感な青春を、アメリカン・シットコム仕立ての皮肉と軽快なユーモアで描いてみせる。
劇中音楽を担当するのは、ダーグル・カウリ監督のバンド「スロウブロウ」。音楽ファン必聴のこちらの曲の数々も、映像により一層の神秘的な美しさを加えており、ぜひ注意して耳を傾けてほしい。
アイスランドならではの、ホームメイドな映画作りの良さを感じるのも本作の魅力の一つ。主演のトーマス・レマルキスは監督の高校時代の同級生、父親役のスルストゥル・グンナルソンは普段は漁師をしている。 (林)