上映作品

北欧パノラマ

ファーザーズ・トラップ 禁断の家族

 
 

■原題:Veljekset/英題:Brothers
■監督:ミカ・カウリスマキ (Mika Kaurismäki)
■出演:カリ・ヘイスカネン(Kari Heiskanen)/ペルッティ・スヴェホルム(Pertti Sveholm)/ティモ・トリッカ(Timo Torikk)/エスコ・サルミネン(Esko Salminen)/マリ・ペランコスキー(Mari Perankoski)/ヴェサ・ヴィエリッコ(Vesa Vierikko)
■2011年 フィンランド ■90min ■言語:フィンランド語(Finnish)
■字幕:日本語

        2/10(月)11:00〜  2/11(火)21:20〜


ストーリー

イヴァルとミティヤ、そしてトルスティの3人は異母兄弟。長男で小説家のイヴァルは、父親の70歳の誕生日を祝うため、25年ぶりに故郷に帰って来る。次男で映画プロデューサーのミティヤは、同棲中の婚約者がいるにも関わらず、レストランで働くグラマラスなロシア人のライサにうつつを抜かしていた。そして、3人の父親であるパーヴォもまた、ライサを狙っているのだった。三男のトルスティは、父親と一緒に暮らしているが、腹の底ではひどく憎んでいて、密かにある計画を目論んでいた。3人の兄弟と、パーヴォの友達でパーヴォを囲み、誕生日を祝う宴が始まる。そこに、ライサが現れて…。


作品紹介

ミカ・カウリスマキ監督が、夏休みの5日間で撮り上げたブラック・ユーモアたっぷりの親子の愛憎劇。トルストイの「カラマーゾフの兄弟」に着想を得て、ベテラン役者陣が台本なしの即興で演じている。3兄弟を演じたカリ・ヘイスカネン、ペルッティ・スヴェホルム、ティモ・トリッカはミカ・カウリスマキ監督の”Kolme viisasta miesta”(2008)でも共演していて、再共演となった本作では息の合った演技を披露している。即興とは思えないテンポのよい会話劇から、それぞれの母親を捨てられた3人の兄弟と、父親との確執が浮き彫りになっていく。(ミティヤが父親を恨んでいるのは、女絡みだが…)父親のパーヴォは、酒飲みで女ったらしで巨漢で本当にどうしようもない。すっかりいい大人の息子たちも、それぞれに問題を抱えており、それぞれに、どこかおかしい。
親子の和解を描いた監督最新作の『旅人は夢を奏でる』とは対をなし、見比べるとより楽しめるのでは?(細川)