上映作品

北欧パノラマ

劇場版 ニルスのふしぎな旅

 
 

■英題:The Wonderful Adventures of Nils
■監督:鳥海永行(Hisayuki Toriumi) 他
■声の出演:小山茉美/安原義人/山崎唯/寺島信子/松島みのり/水鳥鉄夫/安達忍/はせさん治/千葉繁/田中秀幸/玄田哲章/松金よね子/滝沢久美子/八奈見乗児
■1983年 日本■97min■言語:日本語(Japanese)
■(C)学研教育ICT
国内劇場初上映

        [アップリンク]  1/31(土)-2/6(金)13:00〜




ストーリー

スウェーデン南部の農村に住む、わんぱくでいたずら好きの少年ニルスとペットのハムスター、キャロット。彼らは、ニルスの両親の留守中、木箱の中にいた妖精を見つけて捕まえるが、罰として魔法をかけられ体を小さくされてしまう。しかし、そのおかげでニルスは動物たちの言葉が理解できるように。そんな時、ガンの群れに「飛べない鳥」とバカにされ、悔しさから必死で飛び立ったガチョウのモルテンを捕まえようとしてニルスも一緒に飛び立ってしまう。彼らはガンの群れの女隊長アッカに認められ、そのまま一行と共に野鳥の故郷ラップランドを目指す旅に出るのだった…。


作品紹介

子供には新しく、大人には懐かしい、1980年からNHKで放送された同名TVアニメの長編作品。
元々は劇場版として、TV版の再編集ではなく新たに作画作業が行われたが(その作画枚数約3万枚!)、最終的にOVA作品としてリリースされたため国内での正式な劇場公開は今回が初。
制作には、押井守など今や日本が世界に誇るアニメ・クリエイターたちが所属していた「スタジオぴえろ」があたっている。
原作は、1909年に女性初、そしてスウェーデン人初のノーベル文学賞を受賞したセルマ・ラーゲルレーヴ(1858-1940)による二部作(1906、1907)。ラーゲルレーヴは、初等教育で使用する地理読本執筆の依頼を受け、スウェーデン各地を旅した上でこの原作を書いたという。また、ラーゲルレーヴは映画ファンには名高い北欧古典映画の名作『霊魂の不滅』(1920)の原作者としても知られており、魂、精神、過去といった目に見えないものを重視したその作風を考えると、本作も元々は単なる子供向けファンタジーではないことがわかり興味深い。
しかし、私のように40代以上の大人にとっては、小山茉美や安原義人といった往年のスター声優の演技がスクリーンで聴けるだけでも感涙もの。ここは一つ童心に返って、少年ニルスの成長物語を心ゆくまで楽しみたい。(藤本)