上映作品

ドグマ 95

ドグマ・ミーティング

 
(ジャパンプレミア)
 

■原題:De lutrede■英題:The Purified
■監督:イェスパー・ヤーイル(Jesper Jargil)
■出演:ラース・フォン・トリアー(Lars von Trier)/トマス・ヴィンターベア(Thomas Vinterberg)/クリスチャン・レヴリング(Kristian Levring)/ソーレン・クラーク=ヤコブセン(Søren Kragh-Jacobsen)/モーゲンス・ルーコフ(Mogens Rukov)
■2002年 デンマーク■68min■言語:デンマーク語(Danish)
■字幕:日本語・英語【With English subtitles】

        [ユーロスペース]  2/11(水)19:00〜  2/13(金)16:30〜




ストーリー

1995年、映画百年を記念するシンポジウムの席上で、デンマークの映画監督ラース・フォン・トリアーは、赤いビラを突然撒き始めた。それには、彼が盟友トマス・ヴィンターベアと共に立ち上げた映画運動「ドグマ95」の理念“10の純潔の誓い”が記されていた。1998年には、ヴィンターベア監督による「ドグマ95」第1作『セレブレーション』がカンヌ映画祭で審査員賞を受賞するなど、彼等の提唱した映画製作の新たなメソッドは世界的な成功をおさめていくが…。
立ち上げから5年の歳月を経た2000年、トリアーのもとにヴィンターベア、クリスチャン・レヴリング(『キング・イズ・アライヴ』)、ソーレン・クラーク=ヤコブセン(『ミフネ』)が集まり、夜を徹しての“ドグマ反省会”が始まる!


作品紹介

1995年、世界的なスタンダードとして支配力を強めていくハリウッドの流儀に真っ向から対立するかのように「ドグマ95」は立ち上げられた。その“純潔の誓い”には、撮影における手持ちカメラ以外の使用、セットや人工的な照明の禁止などが強く打ち出され、それは制作者には厳しい制限を強いる内容であった。それにもかかわらず「ドグマ95」が世界的な反響を呼んだのは、制約の多い制作現場にこそ野心的な作品の生まれる可能性があることを強く指し示していたからだろう。そして、それは『セレブレーション』の世界的成功で、ヴィンターベアが立証してみせることになった。
ラース・フォン・トリアー、ヴィンターベアに引き続いてドグマ作品『ミフネ』と『キング・イズ・アライブ』を制作した監督ふたりを交えたドグマの中間報告とでも呼ぶべき本作、そこには“純潔の誓い”がもたらした希望と興奮、撮影現場での監督や俳優たちのやり取りが生々しく刻印されている。4人の映画人がそれぞれの思いを胸にドグマ95を検証していくスリリングな記録が日本で初めて公開される。 (雨宮)




ドグマ95「純潔の誓い」条文

わたくしは、ドグマ95が作成し決定した下記の規則に従うことを誓う。

1.撮影はロケーションで行われねばならない。道具や舞台装置が使用されてはならない。
  (もし特定の道具がストーリーにとって必要な場合、その道具のある場所を選んでロケーションが行われなければならない)
2.音は同時録音とする。映像と別に録音することは許されない。(音楽は原則として、 使わない。ただし、撮影現場で演奏する場合は、例外である)
3.カメラは手持ちでなければならない。手による動きあるいは静止のすべてが許される。
  (カメラが固定されたところで、演技が行われてはならない。映画の筋の展開を追うのは、カメラである)
4.映画はカラー撮影とする。いかなる照明も禁止する。(露出のための光が弱い場合、 そのシーンをやめるか、カメラにランプを一つだけつけること)
5.オプチカル処理やフィルターの使用は禁止する。
6.うわべだけのアクションは許されない。(殺人、武器、これに類するものが出てきてはならない)
7.時間的、地理的ずれは許されない。(すなわち、映画は今、この場を、舞台にする)
8.ジャンル分けされる作品は、受け入れられない。
9.映画のフォーマットは、アカデミー35mmとする。
10.監督の名前がクレジットに記載されてはならない。

これに加えて、監督として、わたくしは、個人的好みから距離を置くことを誓う!
わたくしは、もはや芸術家ではない。全体よりも瞬間を重視するような「作品」を造り出さないことを誓う。わたくしの第一の目標は、わたくしの協力者と背景から、真実を引き出すことにある。できるかぎりの手段と努力、よい趣味と美学をもって、わたくしはこの目標のため、進んでいきたい。