上映作品

ベルイマンへの旅

世界中の有名監督が熱く語る記録映像と、初期の傑作で伝説的監督を振り返る。ドキュメンタリーには『不良少女モニカ』主演女優の証言も収録。

グッバイ!ベルイマン

■原題:Trespassing Bergman■英題:Bergmans video
■監督:ヤーネ・マグヌッソン、ヒネク・パラス(Jane Magnusson, Hynek Pallas)
■出演:※下記、『作品紹介』を参照
■2013年 スウェーデン■113min■言語:英語(English)
■字幕:日本語・英語【With English subtitles】

ジャパンプレミア
(ジャパンプレミア)
2/7(日)19:00〜 2/9(火)14:00〜 2/10(水)21:10〜

イングマール・ベルイマン(Ingmar Bergman)
スウェーデンが世界に誇る巨匠。1918年、ウプサラの名家に牧師の子として生まれる。幼い頃から芝居や映画に夢中になり、46年『危機』で映画監督デビュー。『第七の封印』(57)『野いちご』(57)『秋のソナタ』(77)など数多くの名作を映画史に残す。私生活でも5回の結婚や脱税容疑騒動など話題に事欠かなかった。07年没。

トークショー情報
2/9(火)14:00〜 上映終了後

ゲスト:町山智浩
映画評論家の町山智浩さんを迎えて、ライブ中継(スカイプ等、インターネットを介してのビデオチャット)でのトークショー決定!

 

60年代から2007年に没するまでイングマール・ベルイマンが暮らしたフォロー島の家。「進入禁止」の立札が見える敷地に、緊張した面持ちの映画監督たちがカメラと共に入っていく。憧れの人の暮らした場所の空気に包まれて高揚する者、ハリウッドのオフィスで冷静に分析する者、パリで、東京で、コペンハーゲンで…世界中の映画作家たちが、敬愛してやまないウェーデンの巨匠について熱く語り始める。ウッディ・アレン、フランシス・フォード・コッポラ、マーティン・スコセッシ、ウェス・アンダーソン、ミヒャエル・ハネケ、ロバート・デ・ニーロなど25人にもおよぶ有名監督、俳優たちのベルイマンへの尊敬と思慕の念は見る者の胸をしめつけてくるほどに強く、そしてどこか微笑ましい。『不良少女モニカ』撮影当時の恋人であり、その後遺作の『ファニーとアレクサンデル』まで長くベルイマンの作品に出演し続けたハリエット・アンデション、老いた巨匠との抱擁に泣き崩れるアン・リー、抱腹絶倒の精神分析を繰り広げるラース・フォン・トリアーなど、見逃せない貴重な映像が続く。

ベルイマン作品にたびたび登場する見覚えある平屋の家と美しい海岸線。秘密基地のようなこの家にはビデオルームと小さな映写室があり、世界的巨匠はここで日に3本以上の映画を観ていたという。5回の結婚や女優との恋愛、そして国家的騒動となった脱税容疑騒動など話題に事欠かなかったベルイマンだが、晩年は海に囲まれたこのフォール島で静かに暮し、映画を観ては、これはと思う新作があると「ベルイマンだが、君の映画は良いね」と直接監督に電話をかけるのを楽しんでいたという。これは“ベルイマンの電話”としてスウェーデンの映画業界ではよく知られていたらしい。
ベルイマンは1918年にウプサラの名家に牧師の子として生まれ、1946年『危機』で映画監督デビューして以来、『第七の封印』『野いちご』『沈黙』『秋のソナタ』など数多くの名作を残した。軽快なコメディからシリアスな作品まで、映画という手段を用いて一貫して人間の真理を探求し続けた監督である。その作品は世界中の映画作家たちを魅了し、数え切れないほどの映画が今もベルイマンの映画を引用し、オマージュを捧げ続けているといってよい。彼らの姿を追うことで、彼らをそこまで惹きつけるベルイマンの映画の魅力とは何かに迫った本作は、ベルイマンのファンならずとも映画好きにとっては必見の記録映像である。(雨宮)

出演者: アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、トーマス・アルフレッドソン、ジョン・ランディス、クレール・ドゥニ、ミヒャエル・ハネケ、ダニエル・エスピノーサ、アン・リー、マーティン・スコセッシ、ロバート・デ・ニーロ、ウェス・アンダーソン、ウディ・アレン、フランシス・フォード・コッポラ、ハリエット・アンデション、ラース・フォン・トリアー、ローラ・ダーン、アレクサンダー・ペイン、リドリー・スコット、チャン・イーモウ、ウェス・クレイヴン、北野武、ホリー・ハンター、イザベラ・ロッセリーニ、モナ・マルム、ペルニラ・アウグスト、トマス・ヴィンターベア