上映作品

NORTHERN FOCUS

北欧映画界を牽引する監督たちの待望の新作、未公開作を一挙上映!第一線で活躍し続けている注目すべき監督たちにフォーカスする。

サイレント・ハート

■原題:Stille hjerte■英題:Silent Heart
■監督:ビレ・アウグスト(Bille August)
■出演:ギタ・ナービュ(Ghita Nørby),パプリカ・スティーン(Paprika Steen),ダニカ・クルチッチ(Danica Curcic), Morten Grunwald,ピルー・アスベック(Pilou Asbæk)
■2014年 デンマーク■98min■言語:デンマーク語(Danish) ■字幕:日本語・英語【With English subtitles】

ジャパンプレミア
(ジャパンプレミア)
2/6(土)19:00〜 2/10(水)11:30〜 2/12(金)14:00〜

ビレ・アウグスト(Bille August)
テレビ業界で撮影監督を務めた後、78年に長編デビュー。『ペレ』(87)のパルム・ドール受賞で国際的に注目を集める。同作に惚れ込んだベルイマンが脚本を送った『愛の風景』(92)で2度目のパルムドールを受賞。以降、『愛と精霊の島』(93)、『リスボンに誘われて』(13)国際共同製作も手掛けながら、本国での制作も続けているデンマーク映画界の重鎮。

美しい田園風景の中に建つ一軒家で暮らすポールとエスター夫妻の元に、長女のハイジとその夫と息子、次女のサンネとその恋人、そしてエスターの友人のリスベットが訪ねてくる。ASLを発症したエスターは病気が進行する前に安楽死の道を選び、医師であるポールをはじめ、娘たちもその選択を受け入れていた。彼らはその週末、彼女との最後の時間を過ごすために集まったのだった。エスターの望みで一足早いクリスマス・パーティーが開かれるが、サンネは密かにエスターの死を阻止する計画を立て、恋人にそれを打ち明ける…。

デンマークでは、安楽死、つまり自殺幇助は認められていない。一家は当然それを承知の上で、エスターの選択を受け入れるのである。恐らくポールが医師であるということが大きいだろう。医師ならば、苦しまずに、そして確実に死に至る薬の分量を知っているはずだから。エスターがどのようにそれを選択し、家族がどのように受け止め、受け入れていったのか。その過程は描かれていない。安楽死の是非を問うつもりはないのだろう。愛する者の死に直面した家族の葛藤が、極端に寄り添うこともなく、かと言って突き放すでもなく、静かに描かれていく。
ややヒステリックな長女にはパプリカ・スティーン、その夫は『ボス・オブ・イット・オール』で”ボス・オブ・イット・オール”を演じたトリアー作品常連のイェンス・アルビヌシュ、エスター役には『ハムスン』でハムスンの妻を演じたギタ・ナービュ、とベテラン俳優陣が共演している。ポール役のモーテン・グルンワルドは日本では出演作の公開はないが、1961年から活動しているデンマークでは著名な俳優である。不安定な次女を演じたダニカ・クルチッチは、2014年のベルリン国際映画祭にて多くの有名俳優を輩出しているシューティング・スター賞を受賞し、今後の活躍が期待される。(細川)