トーベ・ヤンソンのパートナー、トゥーリッキ・ピエティラが撮影した映像によるドキュメンタリー2本と、アニメ「ムーミン」シリーズの劇場版を上映します。来日ゲストのトークもお楽しみに。
トーベ・ヤンソン:1914年、彫刻家の父ヴィクトル・ヤンソンと画家の母シグネ・ハンマルステン・ヤンソンの長女として生まれる。45年にムーミン物語第1作『小さなトロールと大きな洪水』を発表。 ムーミン物語最終話となる第9作『ムーミン谷の十一月』を70年に発表し、その後は大人向けの小説を執筆する。日本には71年と90年の2度に渡り訪れている。2001年、86歳で永眠した。
ハル、孤独の島
原題:Haru, yksinäisten saari/英題:Haru, the Island of the Solitary
監督:カネルヴァ・セーデルストロム, リーッカ・タンネル (Kanerva Cederström, Riikka Tanner)
1998年/フィンランド/フィンランド語(Finnish)
字幕:日本語/44min
1964年、トーベがトゥーリッキと共に造り始め、91年まで毎夏を共に暮らしたクルーヴ島(ハル)の家。その島の生活を、トゥーリッキがコニカ製の8mmカメラで撮った映像を編集したドキュメンタリー。厳しい自然、差し込む光の美しさ、著書『島暮らしの記録』の世界が映像となって迫り来る。楽しそうにはしゃぎ、踊るトーベにも注目。
2/8(土)18:00〜 2/11(火)10:30〜※ 2/14(金)16:30〜※ ※の回は『トーベ・ヤンソンの世界旅行』との併映となります。
トーベ・ヤンソンの世界旅行
原題:Matkalla Toven kanssa/英題:Travels with Tove
監督:カネルヴァ・セーデルストロム (Kanerva Cederström)
1993年/フィンランド/フィンランド語・スウェーデン語(Finnish,Swedish)
字幕:日本語/58min
トーベが1971年に日本のテレビ局から招待されて来日した際、渡された往復チケットを片道2 枚に変えて、日本からアメリカ、メキシコ、そしてヘルシンキに帰るまでの旅の記録。同行したトゥーリッキによって撮影された映像を見ながら当時を振り返る、2人の楽しいオーディオ・コメンタリーを収録した貴重なドキュメンタリー。
2/9(日)18:30〜 2/11(火)10:30〜※ 2/14(金)16:30〜※ ※の回は『ハル、孤独の島』との併映となります。
ムーミン谷の彗星
英題:Comet in Moominland
監督:斉藤博 (Hiroshi Saito)
1992年/日本・オランダ
日本語(japanese)
72min
1990年からテレビ放映されたアニメシリーズの劇場版。一家がムーミン谷へ引っ越してきたばかりのある日、ジャコウネズミからもうすぐこの世は滅びると聞かされ、真実を知るための旅に出たムーミン、ミイ、スニフ。おなじみスナフキンやフローレンたちとの最初の出会いも語られる。ムーミンたちと冒険旅行に出かけよう!
2/9(日)16:10〜 2/12(水)11:00〜 2/13(木)21:30〜
ジャパンプレミア上映を含め、国内未公開作品の中から、バラエティに富んだラインナップをそろえました。
アンバサダー
原題:Ambassadøren/英題:The Ambassador
監督:マッツ・ブリュガー (Mads Brügger)
2011年/デンマーク
デンマーク語・英語・フランス語(Danish, English, French)
字幕:日本語・英語【With English subtitles】/93min
「アンバサダー」=大使。この肩書を金銭で売買する国がある!? 潜入ルポを得意とするブリュガー監督の今回の潜入先はアフリカ大陸、リベリア。彼は「大使」となり“地獄の三角地帯”と呼ばれるダイヤ鉱山へと乗り込んで行くが…。隠し撮りされた数々の“公然の秘密”に「国家」の概念が揺さぶられる衝撃のドキュメンタリー。
2/8(土)20:30〜 2/12(水)16:00〜 2/13(木)19:00〜
NOKAS
原題:Nokas/英題:Nokas
監督:エーリク・ショルビャルグ (Erik Skjoldbjærg)
2010年/ノルウェー/ノルウェー語(Norwegian)
字幕:日本語・英語【With English subtitles】/87min
2011年ノルウェーアカデミー(アマンダ)賞最優秀監督賞、
最優秀脚本賞
オリジナル版『インソムニア』のショルビャルグ監督が、2004年にノルウェーで起きた史上最悪の現金強奪事件を映画化。犯行は、現地の警備会社「NOKAS(ノカス)」を襲った11人のグループによりわずか20分の間に行われ、その衝撃はヨーロッパ全土を揺るがした。事件のハードさとは対照的な警察の対応や市民の反応にも驚く、異色の実録ドラマ!
2/8(土)13:30〜 2/10(月)19:00〜 2/14(金)21:10〜
馬々と人間たち
原題:Hross i oss/英題:Of Horses and Men
監督:ベネディクト・エルリングソン (Benedikt Erlingsson)
2013年/アイスランド・ドイツ/アイスランド語・スウェーデン語・英語(Icelandic, Swedish, English)
字幕:日本語/81min
2013年東京国際映画祭最優秀監督賞
厳しい大自然の中、たくましく生き抜いてきたアイスランド馬と人々の織りなす日々のいとなみを、絶妙なユーモアで描く新感覚ヒューマンドラマ。舞台演出家として活躍しているエルリングソンはこの古典的テーマを奇妙で味わい深い快作に作り上げた。名匠フリドリクソンがプロデューサーとして全面的にバックアップしている。
2/8(土)15:50〜 2/12(水)13:30〜 2/14(金)19:00〜
ベンヤミンの夏
原題:Benjamin dúfa/英題:Benjamin Dove
監督:ギスリ・スナイル・エリンソン (Gísli Snær Erlingsson)
1995年/アイスランド・スウェーデン・ドイツ/アイスランド語(Icelandic)
字幕:日本語/88min
※東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
家を火事で失った孤独な老女のため、騎士団を結成した4人の少年のひと夏の物語。子供らしい正義感や無邪気さだけではなく、純真であるがゆえの残酷さをもまっすぐに見つめた、子供映画に秀でたものが多い北欧ならではの1本。短い夏の陽射しの下、傷つきながらも成長してゆく少年たちの姿がまぶしい北欧版『スタンド・バイ・ミー』。
2/9(日)11:00〜 2/10(月)13:30〜 2/12(水)21:30〜
ミス・ジーンズ・フィンランド
原題:Miss Farkku-Suomi/英題:Miss Blue Jeans
監督:マッティ・キンヌネン (Matti Kinnunen)
2012年/フィンランド・スウェーデン・アイルランド
フィンランド語(Finnish)
字幕:日本語/89min
1977年、ルー・リードに憧れロックに熱中するヴァルデは、田舎の高校で鬱屈した日々を送るなか、華やかな同級生ピケに密かに恋をする。バンドを結成した彼の生活は徐々に変わり始めるが…。ミュージシャン、カウコ・ロユフカの自伝的小説をもとに、青春の痛みが瑞々しいタッチで描かれていく。70年代音楽やファッションも見どころ。
2/11(火)13:00〜 2/13(木)16:40〜 2/14(金)14:20〜
ファーザーズ・トラップ 禁断の家族
原題:Veljekset/英題:Brothers
監督:ミカ・カウリスマキ (Mika Kaurismäki)
2011年/フィンランド/フィンランド語(Finnish)
字幕:日本語/90min
小説家のイヴァルと映画プロデューサーのミティヤ、父親と暮らすトルスティの異母兄弟。彼らはそれぞれの母親を捨てた父親の70歳の誕生日を祝うために集まるが…。ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」に着想を得た、ダメ親父とどこかおかしな息子たちの愛憎劇。ベテラン個性派俳優陣が台本なしの即興で演じる。
2/10(月)11:00〜 2/11(火)21:20〜
欧米では広く知られる巨匠的存在でありながら、日本ではほとんど紹介されていないスウェーデン人監督ヤン・トロエルの作品群から、実在の人物を描き、高く評価された2本の秀作をお届けします。
ヤン・トロエル:1931年、スウェーデンのマルメに生まれる。小学校教諭時代に短編映画を製作し始め、66年監督デビュー。68年の第2 作『Ole dole doff』でベルリン映画祭金熊賞受賞。71年の『移民者たち』はアカデミー外国語映画賞にノミネートされた。ドキュメンタリー作品も数多く手がけている。80歳を過ぎて今なお第一線で活躍する北欧映画界の重鎮。
ハムスン
原題:Hamsun/英題:Hamsun
監督:ヤン・トロエル (Jan Troell)
1996年/ノルウェー・スウェーデン・デンマーク・ドイツ
ノルウェー語・スウェーデン語・デンマーク語・ドイツ語・英語
(Norwegian, Swedish, Danish, German, English)
字幕:日本語/159min
1997年スウェーデンアカデミー(グルドバッゲ)賞最優秀作品賞、
最優秀主演男優賞、最優秀主演女優賞ほか9冠
※東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
ノルウェーを代表するノーベル賞作家クヌート・ハムスン。第二次大戦中ナチスに利用され、戦後はスケープゴートとして戦犯扱いを受けた非業の作家の半生を描く壮大な歴史大作。マックス・フォン・シドー演ずるハムスンとその妻マリーの結婚生活を軸に、映画は数奇な時代のうねりを見せてゆく。1997年の北欧映画祭以来17年ぶりの上映!
2/11(火)15:10〜 2/13(木)13:20〜 2/14(金)11:00〜
マリア・ラーション 永遠の瞬間
原題:Maria Larssons eviga ögonblick/英題:Everlasting Moments
監督:ヤン・トロエル (Jan Troell)
2008年/スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランド・ドイツ
スウェーデン語・フィンランド語(Swedish, Finnish)
字幕:日本語・英語【With English subtitles】/131min
2013年スウェーデンアカデミー(グルドバッゲ)賞助演女優賞
20世紀初頭、スウェーデンの港町マルメ。フィンランド移民のマリアはくじでカメラを当てる。結婚後、飲んだくれの夫シグリッドとたくさんの子を抱えた困窮生活の中、カメラを売ろうと写真店へ。だが店主セバスティアンにほだされ、彼女自ら写真撮影にのめり込む…。激動の時代を生きた実在の女性写真家の一代記を、長女マヤの視点で描く。
2/10(月)15:50〜 2/11(火)18:30〜 2/13(木)10:30〜
北欧古典映画の巨匠、ベンヤミン・クリステンセン監督の連続上映第三弾! その緻密な映像設計から生まれる美とスリルに満ちた世界が、ピアノの音色と共にいま甦る。
ベンヤミン・クリステンセン:1879年生まれ。1910年代のデンマーク映画黄金期におけるもっとも個性的な監督、脚本家、俳優。当初オペラ歌手を志すが極度のあがり症だったため映画界に転身。スリルに富んだ視覚的な演出に優れた才能をみせた。TNLF2014では『魔女』『密書』に引き続き、連続上映の最後となる『復讐の夜』を上映。
復讐の夜
原題:Hævnens Nat/英題:Blind Justice
監督:ベンヤミン・クリステンセン(Benjamin Christensen)
1915年/デンマーク/英語(English)
字幕:日本語・英語【With English subtitles】/100min
吹雪の夜。新年を祝う侯爵家に、無実の罪で投獄されていた脱獄囚が乳飲み子を抱えて忍び込む。彼は侯爵の姪アンに助けを求めたが、その親切を信じたため再び捕えられ、彼女への復讐を心に誓う…。技巧を駆使した撮影と趣向を凝らした照明設計。監督・脚本・主演を務めたクリステンセンの緊迫感溢れる演出は、今も色褪せることはない。
2/9(日)13:30〜 2/12(水)19:00〜
演奏:柳下美恵 (Mie Yanashita)
サイレント映画ピアニスト。武蔵野音楽大学ピアノ専修卒業。1995年に朝日新聞社主催映画誕生100年記念上映会でデビュー。国内外の映画祭、映画館で伴奏多数。紀伊國屋書店発売の『魔女』の音楽を担当。トーキョーノーザンライツフェスティバル2012で伴奏し、好評を得る。
ノルウェー国内で興行成績1位を記録!2014年公開予定のアドベンチャー超大作を先取り上映!
ラグナロク(仮題)
原題:Gåten Ragnarok/英題:Ragnarok
監督:ミケル・ブレネ・サンデモーセ (Mikkel Brænne Sandemose)
2013年/ノルウェー/ノルウェー語(Norwegian)
字幕:日本語/94min
提供:インターフィルム
考古学者のシーグルは、発掘されたバイキング船から謎のルーン文字を発見する。それは北欧神話における終末の日を意味する「ラグナロク」について書かれたものだった。シーグルは二人の子供を引き連れて、真実を探求する冒険へと旅立つ…。『コン・ティキ』のポール・スヴェーレ・ハーゲン主演のアクション・アドベンチャー!
2/8(土)11:00〜 2/10(月)21:10〜
『ウィ・アー・ザ・ベスト!』2013年東京国際映画祭サクラグランプリ受賞を記念し、ムーディソン監督の国内未公開作品を再上映。
リリア 4-ever
原題:Lilja 4-ever/英題:Lilya 4-ever
監督:ルーカス・ムーディソン (Lukas Moodisson)
2002年/スウェーデン・デンマーク
ロシア語・スウェーデン語・英語・ポーランド語(Russian, Swedish, English, Polish)/字幕:日本語/107min
2003年スウェーデンアカデミー(グルドバッゲ)賞最優秀作品賞、監督賞ほか6冠
旧ソ連の殺伐とした郊外で暮らす16歳のリリア。親に捨てられ、生活に困窮していたある日、目の前に現れた若い男に心を開いていく。彼からスウェーデンで暮らそうと誘われたリリアは、希望を胸に新しい生活に飛び込むが…。撮影当時14 歳だったオクサナ・アキンシナが、運命に翻弄されるヒロインを体当たりで演じた衝撃作。
2/9(日)21:10〜