上映作品

トーキョーノーザンライツフェスティバル2015では、世界的に評価の高い北欧の映画作家たちの名作・旧作・劇場未公開作品を一同に集め、みなさまのご来場をお待ちしております!
※すべての作品には日本語字幕がついています。(All Films are with Japanese subtitles only except identified as "With English subtitles")

監督特集

続々と傑出した才能が登場する北欧映画界。今回は『シンプル・シモン』の大ヒットも記憶に新しいスウェーデンのアンドレアス・エーマン監督と、海外でも高い評価を得ているノルウェーの俊英ヨアキム・トリアー監督にフォーカスします。

アンドレアス・エーマン(Andreas Öhman):1985年、スウェーデン北部クラムフォッシュ生まれ。ポール・トーマス・アンダーソン監督の『マグノリア』に影響を受け、16歳で映画の道を志す。2本の短編映画が国際映画祭で受賞。2010年の『シンプル・シモン』で長編映画デビュー。4作目のロード・ムービー“Odödliga”は2015年リリース予定。

リメイク

原題:Remake/英題:Remake
監督:アンドレアス・エーマン、ペール・ガヴァティン (Andreas Öhman, Per Gavatin)
2014年/スウェーデン/スウェーデン語、英語(Swedish, English)
字幕:日本語・英語【With English subtitles】 /73min

(ジャパンプレミア)

日常のすべてを映像に記録し続けているリサは、恋人のマッティンと休暇でNYを訪れる。買い物中に彼とは対照的なニューヨーカーのルーカスと出会い、惹かれたリサは、マッティンの存在を退屈に感じ始め…。役者たちによってゲリラ的に撮影されたドキュメンタリータッチの映像が、2人の男性の間で揺れるリサの心を赤裸々に映し出していく。

        [ユーロスペース]  2/8(日)19:00〜  2/10(火)21:10〜  2/12(木)14:00〜

ビッチハグ

原題:Bitchkram/英題:Bitch Hug
監督:アンドレアス・エーマン(Andreas Öhman)
2012年/スウェーデン/スウェーデン語(Swedish)
字幕:日本語/101min

(ジャパンプレミア)

野心家で奔放なクリスティンは、憧れのNY生活についてのコラム連載を地元紙で約束され浮かれていたが、飛行機に乗り遅れてしまう。今更家に戻れない彼女は、偶然出会った風変わりな少女、アンドレアの家に転がり込み、NYにいるふりをするが…。大嫌いだけど、大好きな自分自身と向き合う、少女たちのかけがえのない一夏の物語。

        [ユーロスペース]  2/8(日)16:30〜  2/10(火)19:00〜  2/12(木)16:30〜

シンプル・シモン

原題:I rymden finns inga känslor
英題:Simple Simon
監督:アンドレアス・エーマン(Andreas Öhman)
2010年/スウェーデン/日本語吹替え
字幕:日本語ガイド字幕/86min
吹替え版、音声ガイド・ガイド字幕付き特別上映

自分だけのルールで生きていて、他人の感情を理解するのが苦手なシモンが、兄の恋人探しに夢中になるうちに、大切なものに気付いていく…。アスペルガー症候群のシモンの眼に映る世界をユーモアたっぷりに描き出す、キュートでハッピーなラブ・コメディ。日本語吹替え版、及び目や耳の不自由な方とも一緒に楽しめるガイド付き上映。※音声ガイドによる鑑賞をご希望の方は、イヤホン付きのFMラジオをご持参ください。(お持ちでない方にはお貸しします。)

        [ユーロスペース]  2/8(日)11:30〜


ヨアキム・トリアー(Joachim Trier):1974年、コペンハーゲン生まれ。ノルウェーで育つ。ラース・フォン・トリアーの甥。いくつか短編を製作したのち、『リプライズ』で長編デビュー。国内でアマンダ賞を受賞したほか、各国の映画祭でも絶賛され国際的知名度を得る。現在は、アメリカ映画“Louder Than Bombs”を製作中。

リプライズ

原題:Reprise/英題:Reprise
監督:ヨアキム・トリアー(Joachim Trier)
2006年/ノルウェー/ノルウェー語(Norwegian)
字幕:日本語・英語【With English subtitles】/106min
ノルウェーアカデミー(アマンダ)賞最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞

(ジャパンプレミア)

幼い頃から共に作家になることを夢見てきたフィリップとエーリク。2人は同時に原稿を出版社へ送るが、フィリップの原稿だけが出版され、彼は一躍人気作家となる。一方、エーリクは…。夢や、愛や、友情に戸惑う繊細な心の機微を、新人離れした語り口と秀でた映像センスで綴る、みずみずしくも切ない普遍的な青春ドラマ。

        [ユーロスペース]  2/7(土)19:00〜  2/10(火)11:30〜  2/12(木)19:00〜

オスロ、8月31日

原題:Oslo, 31. august/英題:Oslo, August 31st
監督:ヨアキム・トリアー(Joachim Trier)
2011年/ノルウェー/ノルウェー語(Norwegian)
字幕:日本語/96min
ノルウェーアカデミー(アマンダ)賞最優秀監督賞、最優秀編集賞

薬物依存の治療施設に入っているアンデシュは、ある朝、入水自殺を図り失敗する。彼は就職の面接のため故郷オスロへ戻り、旧友や元恋人を訪ねるが…。孤独な青年が漂うように過ごす24時間を端正な映像で静かに見つめ、若い世代から絶大な支持を得たヨアキム・トリアーの代表作。やり場なき深い絶望が胸を打つ、痛切な人間ドラマ。

        [ユーロスペース]  2/7(土)21:10〜  2/10(火)14:00〜  2/12(木)21:10〜

北欧ミステリ特集

2015年は「マルティン・ベック」が生まれて50年。刊行されたシリーズは世界的な人気を博し、現代北欧ミステリ界の隆盛に繋がっています。人気は原作にとどまらず、多くが映像化されました。それら数多の映像作品から、代表作『刑事マルティン・ベック』とともに、現在世界で大人気の2シリーズより一作品ずつをご紹介します。

刑事マルティン・ベック

man

原題:Mannen på taket/英題:Man on the Roof
監督:ボー・ヴィーデルベリ(Bo Widerberg)
1976年/スウェーデン/スウェーデン語(Swedish)
字幕:日本語・英語【With English subtitles】/110min
1977年スウェーデンアカデミー(グルドバッゲ)賞最優秀作品賞、主演男優賞

ストックホルムの病院に入院中のニーマン警部が刺殺される。捜査に加わったベックは警察での彼の悪評を知り、そのことから警部に恨みをもつある男が浮かび上がる。地道な捜査から一転、犯人との間に繰り広げられる派手な追跡劇へと繋がる展開は最後まで目が離せない。世界中のファンを魅了した映画史上に輝く名作が、スクリーンに甦る。

        [ユーロスペース]  2/7(土)11:30〜  2/10(火)16:30〜  2/13(金)11:30〜

湿地

原題:Mýrin/英題:Jar City
監督:バルタザール・コルマウクル(Baltasar Kormákur)
2006年/アイスランド、デンマーク、ドイツ
アイスランド語(Icelandic)/字幕:日本語/93min
2006年アイスランドアカデミー(エッダ)賞最優秀作品賞ほか5冠

(ジャパンプレミア)

北の湿地に建つアパートの一室で、一人の男が他殺体となって発見された。室内に隠されていた写真にうつる十字架は何を意味するのか。エーレンデュル警部の捜査で次第に明らかになる被害者の過去。事件は思いもよらぬ真実をあぶり出してゆく…。英国推理作家協会ゴールドダガー賞受賞作家の出世作となった世界的ベストセラーを完全映画化。

        [ユーロスペース]  2/7(土)14:00〜  2/9(月)21:10〜  2/13(金)14:00〜

エリカ&パトリックの事件簿 説教師

原題:Predikanten/英題:The Preacher
監督:ヨナス・グリモス(Jonas Grimås)
2007年/スウェーデン、ノルウェー
スウェーデン語(Swedish)/字幕:日本語/114min

(AXNミステリー提供特別上映作品)

現代北欧を代表する人気刑事シリーズの映像化作品。夏休みシーズンの港町の外れで若い女性の他殺体が全裸で発見され、さらに2体の白骨死体が…。休暇中のパトリックが捜査に借り出され、捜査線上にカリスマ説教師の一族が浮上。一方、パトリックのパートナーで妊娠中の作家、エリカは、事件の資料を探しに図書館へと赴くのだった。

        [アップリンク]  2/10(火)19:30〜

再発見! 北欧古典映画の魅力

デンマークが生んだ巨匠カール・Th. ドライヤーが、TNLFではおなじみのクリステンセン監督を主演に、ドイツで創り上げた耽美的傑作『ミカエル』を上映します!

カール・Th.ドライヤー(Carl Theodor Dreyer):『奇跡』『裁かるるジャンヌ』などの作品で、後世の映画作家達に多大な影響を与えたデンマークの巨匠。1889年、私生児として生まれ、厳格な養父母の下で育てられた。ジャーナリストとなり映画評を手掛けた後、脚本家としても活躍、監督への道を歩むことになった。若い頃は気球に熱中し、気球乗りの役で映画に出演もした。

ミカエル

原題:Mikaël/英題:Michael
監督:カール・Th.ドライヤー(Carl Theodor Dreyer)
1924年/ドイツ/ドイツ語(German)
字幕:日本語・ドイツ語【With German subtitles】/89min
生伴奏付き上映

同性愛者であったデンマークの作家ヘアマン・バングの原作をドライヤーがドイツで映画化。世紀末的装飾美に彩られた邸宅を舞台に芸術家達のやりとりが描かれた本作は、ホモセクシュアル的であるとして当時センセーションを巻き起こした。ドライヤーは『復讐の夜』での演技を高く評価していたB・クリステンセン監督を、愛に引き裂かれる孤独な大画家役として主役に起用した。

        [ユーロスペース]  2/9(月)19:00〜  2/11(水)16:30〜

演奏:柳下美恵 (Mie Yanashita)
サイレント映画ピアニスト。1995年に朝日新聞社主催映画誕生100年記念上映会でデビュー。国内外の映画祭で活躍。即興演奏を得意とし、全てのジャンルを弾きこなす。600本を超す映画に伴奏をつけている。

北欧パノラマ

ジャパンプレミア上映作品を含む、国内劇場未公開作品の中から、ジャンルを問わず選りすぐりの6作品をお届けします。

ボス・オブ・イット・オール

原題:Direktøren for det hele/英題:The Boss of It All
監督:ラース・フォン・トリアー(Lars von Trier)
2006年/デンマーク、スウェーデン、アイスランド、フランス、イタリア、ドイツ
デンマーク語、アイスランド語、英語、ロシア語(Danish, Icelandic, English, Russian)/字幕:日本語・英語【With English subtitles】/99min

(ジャパンプレミア)

ラース・フォン・トリアー初のコメディ作品! IT企業経営者のラウンは、架空の社長“ボス・オブ・イット・オール”を仕立て上げ、嫌われ役を押し付けて従業員たちに取り入っていたが…。万事をコントロールするのが好きなフォン・トリアーが、オートマヴィジョン(コンピュータ制御による撮影方法)を用い、自らナレーターも務める。

        [ユーロスペース]  2/7(土)16:30〜  2/9(月)16:30〜  2/13(金)19:00〜

予想外な8月

原題:Mieletön elokuu/英題:August Fools
監督:タル・マケラ(Taru Mäkelä)
2013年/フィンランド・チェコ
フィンランド語、チェコ語(Finnish, Czech)
字幕:日本語/100min

ヘルシンキで暮らすエルサの元に、23年前に離ればなれになったかつての恋人ヤンが訪ねて来る。ミュージシャンのヤンは、チェコスロヴァキアの代表として国際平和祭に参加するためにやって来たのだが…。1962年、冷戦下の鉄のカーテンに阻まれた男女の恋の顛末を、ジャズにR&R、60年代ファッションが彩るラブ・コメディ。

        [ユーロスペース]  2/8(日)21:10〜  2/12(木)11:30〜

ピンチクリフのクリスマス

原題:Solan og Ludvig - Jul i Flåklypa
英題:The Christmas of Solan & Ludvig
監督:ラスムス・A.シヴァートセン(Rasmus A. Sivertsen)
2013年/ノルウェー/ノルウェー語(Norwegian)
字幕:日本語/76min
2014年ノルウェーアカデミー(アマンダ)賞
最優秀児童・青少年映画賞

(ジャパンプレミア)

国民的アニメ『ピンチクリフ・グランプリ』の仲間たちが帰って来る! ピンチクリフ村では、発明家のレオドアとアヒルのソラン、ハリネズミのルドビグがクリスマスの準備をしていた。でも、肝心な雪がまったく降らない! レオドアはとある人物に頼まれてスノーマシーンを発明し、雪を降らせることに成功するが、マシーンが暴走を始め…。

        [ユーロスペース]  2/8(日)14:00〜  2/9(月)11:30〜  2/13(金)21:10〜

劇場版 ムーミン谷の彗星
パペット・アニメーション

原題:Moomins and the Comet Chase
英題:Moomins and the Comet Chase
監督:マリア・リンドバーグ(Maria Lindberg)
2010年/フィンランド、ポーランド、オーストリア
英語(English)/字幕:日本語/75min
提供:Child Film + kinologue

(ジャパンプレミア)

ムーミン物語が誕生して70年。1978〜82年にトーベ監修の元、ポーランドで制作されたTVシリーズから「ムーミン谷の彗星」のエピソードに、キャラクターの台詞を加えてデジタルリマスターし再編集。パペットになったムーミン達の彗星を巡る冒険が始まる。新映像が付けられた主題歌は、ムーミンファンを自認するビョークが手掛ける。

        [ユーロスペース]  2/9(月)14:00〜  2/11(水)11:30〜

バレエ・ボーイズ

原題:Ballettguttene/英題:Ballet Boys
監督:ケネス・エルヴェバック(Kenneth Elvebakk)
2014年/ノルウェー/ノルウェー語(Norwegian)
字幕:日本語/75min
提供:アップリンク

(ジャパンプレミア)

ノルウェーでバレエ・ダンサーを目指す3人の少年を追った4年間。時にはふざけ合いながらも厳しい練習に耐え、夢に向かって切磋琢磨していたが、ある日、彼らの中の1人だけが名門ロンドン・ロイヤル・バレエスクールから招待を受けて…。少年たちの葛藤と奮闘、そして踊る喜びをみずみずしく描き出したドキュメンタリー。

        [アップリンク]  2/5(木)19:30〜  [ユーロスペース]  2/11(水)14:00〜

劇場版 ニルスのふしぎな旅

英題:The Wonderful Adventures of Nils
監督:鳥海永行(Hisayuki Toriumi) 他
1983年/日本/日本語(Japanese)/97min
国内劇場初上映

1980年からNHKで放映された、スウェーデンの作家セルマ・ラーゲルレーヴ原作の同名TVアニメの劇場版。妖精の魔法で体を小さくされてしまった少年ニルスは、ハムスターのキャロット、ガチョウのモルテンと一緒に渡り鳥の故郷ラップランドを目指す旅に出る。色褪せることのない不朽の名作アニメを国内初の劇場公開!

        [アップリンク]  1/31(土)-2/6(金)13:00〜

ドグマ95

鬼才ラース・フォン・トリアーが、トマス・ヴィンターベアらと映画救済のための十戒“純潔の誓い”を掲げた映画運動の誕生から20年、「ドグマ95」とはなんだったのか?を振り返ります。

ドグマ・ミーティング

原題:De lutrede/英題:The Purified
監督:イェスパー・ヤーイル(Jesper Jargil)
2002年/デンマーク/デンマーク語(Danish)
字幕:日本語・英語【With English subtitles】/68min

(ジャパンプレミア)

「ドグマ95」の提唱から5年後の2000年、ラース・フォン・トリアーと共に映画運動の道に踏み入った盟友ヴィンターベア、『キング・イズ・アライブ』、『ミフネ』の監督ら4人が集められ、夜を徹しての反省会が始まった。“純潔の誓い”がもたらした希望と興奮、そして撮影現場での滑稽なまでの苦しみがいま明らかに!

        [ユーロスペース]  2/11(水)19:00〜  2/13(金)16:30〜

セレブレーション

原題:Festen/英題:The Celebration
監督:トマス・ヴィンターベア(Thomas Vinterberg)
1998年/デンマーク、スウェーデン
デンマーク語、ドイツ語、英語(Danish, German, English)
字幕:日本語/106min
1998年カンヌ国際映画祭審査員賞、1999年デンマークアカデミー(ロベール)賞最優秀作品賞ほか7冠
アンコール上映

ドグマの方向性が示された記念すべき第1作を再上映。製作当時、ヴィンターベアはドグマの制約を「低予算映画を撮るための口実」とうそぶいていたが、人工照明を一切排し、家庭用デジタルビデオのみで撮影された濃密な世界観は、今なお斬新さを失っていない。息子の告白がある上流階級の一家にもたらす、残酷なカタストロフ。

        [ユーロスペース]  2/11(水)21:10〜